【世界のユニークな書店】ヴェネチア 水辺のレトロな店内に心おどる「リブレリア・アクア・アルタ」

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世界には、本をこよなく愛する人もそうでない人も、誰もが一度は訪れたいと願う魅力的な書店があります。そんな世界の書店を紹介するシリーズ、今回は、水の都・イタリアのヴェネチアにある『Libreria Acqua Alta (リブレリア・アクア・アルタ)』です。

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ヴェネチアは、言わずと知れた観光都市で、150を超える大小の運河が作り出した、水に浮かぶ美しい街並みが最大の魅力ですよね。そんなヴェネチアにある『Libreria Acqua Alta』は、世界の中でも、もっともオリジナリティあふれる書店の1つです。

店内にバスタブやゴンドラが?Libreria Acqua Altaのユニークな店内

まずここを訪れる世界中の人だれもが注目するであろうユニークなポイントが、本のディスプレイ方法。

店内に入ると、そこはまるで異空間。

所狭しと天井近くまで本が並べてあり、中央には大きなゴンドラが。ゴンドラの中にはぎっしりと本が並べてあり、見渡すとバスタブや大きな桶などにも本が敷き詰められています。

このディスプレイ、実はヴェネチアならではの高潮による冠水に備えて、店主が考えたものなのだそうです。

そう思って見てみると、椅子の上に本が積み上げられていたり、本が並べられているテーブルがよく見るとボートだったりします。

ユニークで味があり、これら全てが異空間の店内を作り出していて素敵。

さらに裏庭に抜けると、昔、冠水の被害にあってしまった古い本が壁一面、上に登るための階段として積み上げられていたり、ゴンドラを漕ぐときに使うオールも階段の手すりとして設置されています。

店名は ”高潮書店”?

店名『Libreria Acqua Alta』もまさにヴェネチアの書店ならではのユニークな名前です。

店名にある、”Acqua Alta(アクア・アルタ)”とは、北アドリア海における異常潮位現象(高潮)のこと。

この現象は秋から春にかけて起こり、ヴェネチア内にあるお店やホテルは、店内が浸水してしまうことがたびたびあるのだとか。

そんな”高潮”をそのまま店名にしてしまったのがこの書店。ユニークですよね。

Libreria(リブレリア)”はライブラリーという意味。

ここは書店であり、”Acqua Alta(アクア・アルタ)”をテーマにした1つのミュージアムでもあるのかも。

image:Atlasobscura ZACKOFALLTRADES

もちろんLibreria Acqua Altaは書店としても優れています。

観光ブックや歴史書をはじめとするヴェネチア関連の書籍から、アートや漫画、ベストセラー本まで幅広い分野の本を取り扱っており、

新刊だけでなく古本も扱っているので店内を散策すれば思いがけない本との出会いがあるかもしれません。

置いてあるのはほとんどイタリア語の本ですが、アンティークの本やヴェネチアのポストカードや絵本など目で見て楽しめるものもたくさんあるので、イタリア語が分からなくても十分楽しめます。

猫と読書?本に寝そべる自由な猫たちもユニーク

そして店内の雰囲気をさらに自由で気ままにしているのが店内を歩き回る猫たち。

この猫たちは、店主に飼われている猫たちで、観光客や、地元の人で賑わう店内に動じることなく、堂々と商品に寝そべっていたり、時にはレジにのぼり、会計の邪魔をすることも。

猫を書店で見かけることは珍しいので、最初は少し驚きますが、あまりにマイペースでのんびりした猫を見ていると、これもLibreria Acqua Altaのユニークな雰囲気を作り出す魅力の1つに見えてきます

オリジナリティとバラエティで楽しませるLibreria Acqua Alta

海外の書店に行っても「読めないし何を買えばいいのか分からない」という人もいるかもしれませんが、『Libreria Acqua Alta』に行けば思わずここを訪れた記念に何かを手に取りたくなります。

そんな時に店主が観光客にすすめるのは、ブックマーク。

「シンプルなブックマークは、お土産としても旅の記念にも、あなたの思い出をしっかり残してくれる、とてもいいものだよ。」と店主は言います。

アンティークな雰囲気とユーモアあふれる店内ディスプレイ、バラエティ豊かな本、気さくな店主と気ままな猫たち、これらすべてが合わさってできたオリジナリティあふれるヴェネチアの書店、『Libreria Acqua Alta』。

ヴェネチアならではの冠水対策も、旅の思い出をさらに濃くしてくれること間違いなしです。ここでしか味わえないユニークな雰囲気は、本が好きでもそうでなくても、ぜひ一度は感じてみたいですね。

 

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alisa

フランス ボルドー、カナダ トロントでの生活を経て、多様性・サステナビリティに興味を持ち、 日本 ⇄ カナダ でCLAIr magをディレクションしています。 どんなコンセプトだって表現方法だってOK、ユニークで自由なコンテンポラリーアートの世界観が好き。