バケーション大国フランスが教えてくれるワークライフバランス

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ワークライフバランスという言葉が関心を集めるようになり、人生における仕事の位置づけやあり方について考える機会も多くなりました。

みなさんは現在の自分自身の働きかたについて、どのように考えていますか?

日本はよく「労働時間が長い、残業が多い」と言われるけれど、私たちにとっての理想の働きかたとはどのようなものだろう。

「日本に比べ労働時間が短い、残業をしない」と、働きかたのスタイルでよく日本と比較されるフランスでも、働くことに対する考えかたは少しずつ変わってきています。

フランスの現在のワークスタイルと、私たちにとってのワークライフバランスについて考えてみました。

 

フランス人は残業をしたらその分休む?

以前フランス人の友人と働きかたについて話した時、「残業」へのとらえ方の違いにはカルチャーショックを受けました。

日本では「仕事の進捗状況によって多少の残業は仕方ない」と考えている人が大半ですよね。実際に、日常的に規定の時間以上の残業をしている人は多くいます。

対してフランス人はというと、「フランスでも残業はするけど、残業をしたらその分、別の日に早く帰ったり、休んだりする」のだそう

もちろん職種や人によって個人差はありますが、彼らは「残業をするのはいいが、その分休まなければならない」と残業した分の代休をとることをある意味、当たり前の権利のように捉えているのです。

日本人とは少し違った考えですよね。

実際にフランスでは、規定の時間を超えて働いた場合に代休を請求できる権利が、法律で明確に認められています。

この残業に対する考え方の違いが、フランス人の労働時間が短いと言われている一つの要因かもしれません。

「残業をしない」のではなく「働いたらその分休む」というのが、フランス人のワークスタイルには根付いています。

 

バカンスは合計1ヵ月以上?! 日本とフランスの長期休暇の違い

日本とフランスの働きかたでもう一つ大きく違うのは、「長期休暇」についてです。

日本の会社で働いていると1週間以上の長期休暇を取るのはなかなか容易ではありませんが、フランスでは、働く人のほとんどが「バカンス」といって約1週間~4週間程度の長期休暇をとります。

この長期休暇のあり方の違いは、有給取得の制度の違いから生まれています。

日本
・6ヵ月継続して働き、そのうちの8割以上出勤
→  年間10日の有給休暇が取得できる
・その後、勤務年数に応じて増え、最高20日の有給が取得可能
・有給消化率:48.8%
フランス
・1年のうち、同じ使用者の下で、約1ヵ月以上の日数勤務している
→ 継続勤務1ヵ月につき2.5日の有給休暇が取得可能
・年間30労働日(約5週)まで取得可能
・有給消化率:100%

エクスペディア 内閣府HP

こう見るとフランスの方が有給休暇取得のためのハードルが低く、取得可能な日数も、消化率も多いことが分かりますね。

 

有給100%消化できるフランスのバカンス法って?

通称「バカンス法」と呼ばれるフランスの法律では、5月~10月を有給休暇の法定取得期間として定めています。


そしてその期間内に4週間、さらにそれ以外の時期にもう1週間の有給休暇を取らせると決められていて、労働者が有給休暇を100%消化できるようなしくみになっています。

さらにこの期間内の4週間の有給休暇のうち、2週間は継続して取らなければならないとされているそうです。

フランスでは有給休暇を利用し、1週間以上の長期休暇を安心してとれる仕組みがあり、さらにそれが労働者の当たり前となっているのです。

一方、日本では1週間以上の有給休暇を取ることは業務上むずかしかったり、「罪悪感から取れない」という人も多いのではないでしょうか?
この長期休暇に対する考え方の違いもまた、日本とフランスとのワークスタイルの違いを生んでいます。

 

これからフランス人も長時間働くようになる?

しかし労働時間が短いことが、必ずしもいいというわけではありません。

フランスでは「労働時間を短くしたことにより、正社員と非正規雇用の人との労働環境に格差が生まれたり、フランス企業の競争力が低下しているのでは?」という声もあります。

これから、一日当たり10時間に制限されている労働時間が12時間に伸ばされたり、残業代の支払い基準が変わったりと、フランス人は今よりも長い時間働くようになるかもしれません。

もちろんこの案には賛否両論あり、ストライキが起こったりもしているよう。

 

でもここからわかるのは、フランス人が現在のワークスタイルに100%満足しているのではなく、私たち日本人と同じように、「よりよいワークスタイルを求めて模索している道の途中」だということ。

このように理想の働きかたを求めて「必要ないものは削り、必要なものは足していくという調整を少しづつ行っていけば、働きかたの新しいかたちが見えてくるかもしれません。

 

メリハリのあるワークスタイルで理想の働きかたを実現!

私たちがこのフランスのワークスタイルから学べることは、「仕事とプライベートのメリハリをしっかりつけて働く」ということでしょう。

最近「休みをしっかりとって私生活を充実させることは、仕事の生産性を上げることにもつながる」というのが、日本でもよく言われます。

その点ではフランスのワークスタイルは、見習うところが多くあります。

仕事と休みのメリハリをしっかりつけて、両方を精いっぱいやるというのが、ワークライフバランスのあるべき姿かもしれません。

それを実現するためにも自分自身の働きかたについてこれからも考えていきたいですね。

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alys

フランス ボルドー、カナダ トロントでの生活を経て、多様性・サステナビリティに興味を持ち、 日本 ⇄ カナダ でCLAIr magをディレクションしています。 どんなコンセプトだって表現方法だってOK、ユニークで自由なコンテンポラリーアートの世界観が好き。